
第18話 私を野球へ連れてって
「ちょっと、どうしたの。食欲ないの?」 母さんの声で、ハッと我に返る。 「あ、いや、違う」 ...

第17話 春雷は悩ましい
「えー、まだ入部届を出していない人は明日までだからなー。忘れないように」 朝のホームルーム ...

第16話 陰極まれば陽となり
「やりたくないですよ」 「……」 「どう見たって、やりたい側じゃないですよ」 突然、何を言 ...

第15話 見送る鳥は跡を濁したがる
「えっ」 楓(かえで)くんが小さく声を出した。出しゃばりだと思われたかな……いや、実際そう ...

第14話 メガネは何を覆うのか
ザワッ……「ああ、『三人姉妹』ね」彼のその一声で、部室内がまた一段と困惑の色を強くして、騒 ...

第13話 聞かれるのを待つな
「松原くん、ありがとう」 木村部長だ。隣には、今日も木村部長お付きの黒子のように、小さい麻 ...

第12話 シンデレラのえんじスリッパ
松原くんは僕を見てニッと笑った。その笑いにどういう意味が含まれているのか僕にはわからなかっ ...

第11話 僕がいい理由
その白い腕は、つめた~いスポーツ飲料のボタンを押した。 ガコンッ 自販機の取り出し口からペ ...

第10話 迫り寄る白い腕
昼休み。今日は、購買で初めての昼ご飯購入を前田と試みていた。 「うわー、すごい人だな」 「 ...

第9話 生き遅れのアナウンス
女子生徒の声。放送部の誰かなのだろう。とてもきれいなアナウンスだった。 アナウンスが終わり ...