
第57話 春を告げる
雨と風の音がすごい。夜の間に台風は通過するみたいだけど、こんなにうるさいとちょっと怖くて眠 ...

第56話 君には似合わない
テレビで野球中継を見るなんて、久しぶりだ。今日は名邦VS海浜バンクの試合。名邦ヴァルチャー ...

第55話 この気持ちは
「そんな訳、ないだろ!」 キイイン……と、前田の部屋に僕の声がうるさく響いた。前田の声が止 ...

第54話 かわいそう
「……なんの話」 前田を見る。ものすごく、意地悪な顔をしてる。こんな顔するんだ、前田。 「 ...

第53話 ケガ
「これ、いつから売ってたんだっけ」 「あ……最近だと思う。毎年5月末くらいから売り出し始め ...

第52話 いつまでもぼんやりと
「え?」 「真野くんを見てるとさくらを思い出す、と思ったけど……あー違うな。さくらはそれで ...

第51話 さくらが散る前に
「僕は、どうしたらいいですか」 今日は朝からずっと曇りだ。中庭でランチをした時も曇っていた ...

第50話 ニンジン
『お前、性格ねじ曲がってんな』 小さい頃、何歳くらいだっただろう。兄にそう言われたことを思 ...

第49話 不安にすがりつく
「いえ……僕はまだ、そんなコンクールなんて出るような、」 だって、まだギリギリ5月。放送部 ...

第48話 それどころじゃないから
月曜の朝。 朝のアナウンスは久しぶりに、川崎先輩だった。良かった、無事に今日から学校復活み ...